金沢市を中心に、中小企業経営者や相続でお困りの個人の方のお手伝いをしている野村経営税理士事務所の代表税理士ノムが日々の出来事を綴っています。税理士という仕事を身近に感じていただけると幸いです。税理士だってサービス業です。 こんなことやってます!

2011年10月20日 nom

こんにちは。

大根をおろしたときにできるおろし汁を捨てるのはもったいないので、最近は捨てずに飲んでしまう金沢市のヘルシー系税理士ノムです。当然ですが大根によって旨いのと不味いのがありますね。

さて、福井市を皮切りに始まった秋の経営者向けセミナーですが、北陸4か所の最終は金沢市です。この日は15時から17時までの2時間。

いつも通り、開始1時間前に会場入りし、会場チェックと事前打ち合わせ。この会場での講演は3回目ですが、ここはマイクが使えないのでちょっとやりづらい。いつもより大きめの声で話さなくてはなりません。

敦賀会場と同様、今日も事業承継を重点的に話しました。
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↑熱弁中の私。。。

前回は、相続開始から3か月以内の相続手続きについて述べました。

今回は、その後のスケジュールについてです。

続きを読む・・・: 秋の経営者向けセミナー ~金沢会場~

 

 

2011年10月13日 nom

こんにちは。

コンビニやスーパーで缶ビールを買う時に、店員さんに飲み口周辺を素手でわしづかみにされると気分を害する金沢市の神経質?な税理士ノムです。やはり基本は箱買いですね。

保険会社様主催の経営者向けセミナーですが、福井市の次は富山市で開催でした。
10月7日の金曜日。富山県民会館にて14時から16時までの2時間です。

相続に関する部分で、力を入れたのが「相続発生後のスケジュール」です。
相続は人の死亡によって開始します(民法第822条)が、何をどういう順番で進めなければならないのかを1つ1つ解説します。

相続では、3か月、4か月、10か月という3つの期限が非常に重要です。特に、最初の3か月は、あっという間に過ぎてしまいますので、是非とも押さえていただきたいところです。

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まず、被相続人(亡くなった方)が生前に遺言書を書いていたかどうかを確認します。遺言書には通常、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類があり、このうち、被相続人が自ら自筆で書いた自筆証書遺言については、被相続人がどこかに保管しています。

金庫内や、思い当るところを探し、自筆証書遺言が出てきたら、開封しないで家庭裁判所へ持って行きます。家庭裁判所で検認の手続きを得なければ、民法上は罰金が科せられることとなっています。つまり、勝手に開封してはいけないということです!

次に、相続人の確認・把握です。これは、相続開始時から被相続人が生まれたときまでの戸籍を遡って取得します。実務的には、12歳前後の戸籍まで遡れば間に合うケースがほとんどです。相続人の方々が分かっているんだからそんなものいらないという訳にはいかないのが、この戸籍の取得です。
戸籍を確認することによって初めて、被相続人の相続人が誰であるのかを、確認することができるのです。そして、この時に取得する戸籍は遺産の名義変更や相続税の申告時に必要になります。

相続人が確認できたら、次は被相続人の遺産(相続財産)を確認します。この際には、おおよその時価と相続税評価額を計算します。それにより、相続をするのかあるいは放棄するのかといった意思決定ができますし、また相続税がかかりそうなのかどうかといったことも予測できるからです。

相続財産を確認したら、相続をするのか、あるいは、相続しないで放棄するのか、プラスの財産の範囲内で相続する限定承認をするのかといった決断をしなければなりません。
相続を放棄する場合と限定承認をする場合には、3か月以内に家庭裁判所への申立てが必要になります。最初の3か月が重要な理由は、この、相続放棄・限定承認の期限があるからなのです。

この3カ月の間に、相続放棄や限定承認の手続きを取らなければ、自動的に相続をするということになり、この時点で相続人が確定します。
この後のスケジュールについては、次回述べたいと思います。

 

 

2011年5月25日 nom

5月13日の七尾会場編に続いて18日には金沢会場にて同様の平成23年度税制改正セミナーを行いました。
会場は、金沢ニューグランドホテル。
参加者は約90名。久々の大規模セミナ-です。
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内容は七尾会場と同様なのですが、会場によって対応が変わります。
今回の会場ではホワイトボードが使えないことが会場入りして判明。
事前確認をうっかり忘れていました・・・
このため、ホワイトボードに書くつもりだった内容を急きょ会場でパワーポイントに追加。
間に合ったものの、挿入場所を間違えて、プチ修羅場がありました。
しかも、アニメーションが8つくらいついていたので、スライドを戻すのに時間がかかって・・・
こういう場面での対応で講演慣れしているかどうかが分かりますね。
私の場合は、どうだったんでしょうか?
平成23年度の税制改正法案はまだ国会通過していませんが、内容には高額(年収1500万円超)給与所得者の増税が織り込まれているので、経営者の方が自身と会社の両方を守るための具体的対応方法を話の最後にお伝えしました。
おかげさまで、今回も好評をいただきました。感謝!
講演終了後は、立食形式の懇親会。
乾杯の音頭をとらせていただきましたが、この時のためにとっておいたネタを披露。
「東関東大震災では津波で多くのモノが流されました。社屋・棚卸資産・車・パソコンなど、会社の資産が流され消滅しました。ですが、津波で流されなかったモノがあります。負債です・・・・以下省略」
ご参加いただいた経営者の方々への挨拶回りで何も食べられず。
そして、前職で税務調査の立会い時にお会いした社長と再会。
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絶賛していただきました。
ありがとうございました!

 

 

2011年5月20日 nom

去る5月13日、七尾市内で経営者を対象とした平成23年度税制改正セミナーを開催しました。
その名も「平成23年度税制改正 戦略的活用セミナー ~大増税時代から身を守るためのポイント~」
金曜日の夕方6時からの2時間という、参加される方にとっては貴重な時間帯ではありますが、20名ほどの経営者の方々にご参加いただきました。
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23年度税制改正の大きな流れは3つ。
1つは、消費税の税率アップについては触れない事
2つ目は、法人税の税率を引き下げること
3つ目は、税収確保のため個人が増税
まず、この3点をお伝えし、その背景をお話ししました。
この部分、皆さん非常に関心を持たれます。
やはり、こういったセミナーでは「なぜ、そうなるのか」といった観点から話をしないと、ただの解説セミナーになってしまうんです。
終始解説だと、聞いてくださる方にとっては辛い!眠い!つまらない!セミナーになってしまいます。
なので、私のセミナーでは解説だけではなく、事例紹介や対策方法を必ず盛り込んでいます。
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2時間のセミナーで資料はパワーポイントで36シート。これは配布用。
講師の私がプロジェクターに映すスライドは51シート。ちょっと多過ぎ・・・
必然的に時間がない中、強弱をつけながら話をしました。
おかげさまで好評を得ることができ、個別相談のお申し込みを何件かいただきました。
そのため、6月には無料相談デーを設けて、参加された経営者の方の個別相談に応じることにしました。
また、相談会の合間に同内容のセミナー第2弾を行います。
無料相談は1社30分。1日限定8社。すでに満席です。
ハードな1日になりそうです。。。

 

 

2011年5月17日 nom

ゴールデンウィーク真っ最中の5月2日に新潟市内で講演に呼ばれました。
某生命保険会社の新潟支社からのご依頼です。
北陸での活動が口コミで新潟支社にまで届いたみたいで、とても嬉しかったですね。
営業職員さん向けの勉強会です。
テーマはやはり、「平成23年度税制改正」
依頼内容は、「これから会社として育てていく将来有望な職員さんたち向けに分かりやすく話してほしい」とのことです。
女性が中心で、支社長含め30人以上の出席です。
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持ち時間は1時間。
使ったレジュメは、2時間のセミナーで使用するものとほぼ同一。
平成23年度税制改正の大きなポイントを7つに絞って話しました。
皆さん、成績優秀者とあってものすごく真剣です。
結局、1時間を10分ほどオーバーしてしまいましたが、もうちょっと時間が欲しかった。。。
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帰りの電車の時間が迫っていたため、講演をして直ぐ帰ってきましたが、今度はゆっくり新潟の美味しい料理を味わいたいですね。

 

 

2011年4月18日 nom

生命保険会社さんからの依頼で七尾市内で税制改正についての研修講師で話をさせていただきました。
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保険業界のみならず、今回の税制改正は久しぶりに大きな改正内容となっているため注目が高いです。
30名ほどの参加で、税制改正の背景や相続税の仕組み、、法人税の仕組みなどを約2時間にわたって話しました。
税制改正で保険の提案方法が変わる。
相続税が増税になり、身近な税金になる。
相続税の節税方法は?
相続の話はなぜか熱くなります。ついつい時間オーバー。
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今日の話を基にした経営者向けのセミナーを5月13日に行います。
集客よろしくお願いします!

 

 

2010年8月10日 nom

全国で100歳以上の高齢者の所在不明が相次いでいますが、本日、神戸市が先月末時点で847人いるはずの100歳以上の高齢者のうち105人について、住所地での居住が確認できていないとの発表を行いました。
105人の中には、生きていれば国内最高齢となる125歳の女性が含まれているそうです。
しかも、この女性の住所は29年前から神戸市内の公園になっているそうな・・・
29年前ということは、96歳のときに住所を公園にしたということですが、本人が届け出たのでしょうか?
何だか家族関係の希薄化を象徴する報道が続きますね。

ところで、このような所在不明者の相続についてはどのように取り扱うのでしょうか?

民法では、第882条に相続開始の原因についての定めがあります。
第882条 相続は、死亡によって開始する

現行の民法では、死亡を唯一の相続開始原因としています。
しかしながら、死亡の時期が明らかではない場合があります。
今回の所在不明高齢者のように、生死が不明の場合などは死亡を確認できません。
そこで、民法には失踪宣言(第30条)という定めがあります。

失踪宣言とは、不在者(従来の住所又は居所を去り,容易に戻る見込みのない者)につき,その生死が7年間明らかでない場合(普通失踪といいます)と,戦争,船舶の沈没,震災などの死亡の原因となる危難に遭遇した者で、その危難が去った後、その生死が1年間明らかでない場合(危難失踪といいます)に,利害関係人(相続人など)の請求によって家庭裁判所が死亡を宣告する制度のことをいいます。
普通失踪の場合は7年が経過した時点で、危難失踪の場合は危難が去ったときに死亡したとみなされます。
つまり。失踪宣告とは,生死不明の者に対して,法律上死亡したものとみなす効果を生じさせる制度です。

なお、危難失踪の場合、例えば、台風や水害のような事変による死亡が推定される場合には、死体による死亡が確認できなくても、事変の調査に当たった官公署が死亡を認定する認定死亡という制度(戸籍法89条)があるそうです。←知りませんでした
認定死亡によって戸籍に記載されれば、死亡の事実が推定されるとして、失踪宣言の手続きを経ることなく、不動産の相続登記などが行えるようになります。

 

 

2010年8月 3日 nom

第60回税理士試験が今日から始まります。
僕が初めて受験したのは、平成10年の第48回目ですから、もう12年も経っているんですね。
合格した平成14年の第52回から数えても、既に8年が経過しました。
いや、あっという間ですね。振り返ってみると。

平成14年の試験では、3科目(簿記論・財務諸表論・相続税法)を受けたのですが、1日16時間くらい勉強してまして、試験当日はまさに、最高のコンディションでした。
「今の自分に解けない問題は(そんなに)ない!」
「俺が受からなければ、一体誰が受かるんだ!」
今思うと、自分でもびっくりするくらい闘志むき出しでしたね。8年前は。

無事、合格しましたが、翌平成15年の6月ごろに母親から言われた
「あんた、やっと元の目に戻ったね」
の一言は、未だに忘れません。
ずーっとテンパってたのですね。あの頃は。
1年で体重が13キロも減ったことに気付かなかったという嘘みたいな事実もありますし。

確かに、税理士証票の顔写真を見ると、キツい目つきしていました・・・
今は、独立したので税理士証票が変わり、写真も変わってしまいましたので、お見せすることはできませんが・・・

そんな過酷?な税理士試験に、今日は午後から大切な友人であり、自転車仲間でもあるS君が戦います。
朝、激励の電話を入れました。
「頑張るんじゃなくて戦ってこい!」
電話口からは、力強い声が聞こえてきたので、良い戦いをしてくることでしょう。

ちなみに、今回の試験は以下のような日程で行われます。
平成22年8月3日(火)
 午前9時から同11時まで 簿記論
 午後0時30分から同2時30分まで 財務諸表論
 午後3時30分から同5時30分まで 消費税法又は酒税法
平成22年8月4日(水)
 午前9時から同11時まで 法人税法
 正午から午後2時まで 相続税法
 午後3時から同5時まで 所得税法
平成22年8月5日(木)
午前9時から同11時まで 固定資産税
 正午から午後2時まで 国税徴収法
 午後3時から同5時まで 住民税又は事業税

恥ずかしながら、紛失を真剣に疑った大事な合格証書が見つかりました!
物置部屋の奥の忘れ去られた引き出しの中から出てきました。
良かったぁ。
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書留で届きましたが、この時は仕事中でしたね。不在のため持ち帰られてました。
実際には、職場のネットで結果は知っていたので、届いた時の嬉しさはさほどではなかったのが良かったのか良くなかったのか・・・

で、中身はこれです。
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この証書は、税理士試験を5科目合格した人にしか発行されないんです。
一部の科目を免除された人や、大学院を2つ出てそもそも税理士試験を受けていない人や、税務署OBの人などには発行されないので、絶対なくしてはいけません。

早く、額を買ってきて事務所に掲げておかなくてはなりませんね。

 

 

2010年7月12日 nom

しましたね。7月6日に。
タイムリーではありませんが、お許しを・・・

業界内では、行方が注目されていた最高裁判決でしたが、約40年間の実務慣行を覆す結果となりました。
1審の長崎地裁では、年金を雑所得として課税することは二重課税に該当するとされたものの、2審の福岡高裁では、1960年代から実務的に定着していたとされる現行の取り扱いを是認する(つまり、年金を雑所得として課税することは二重課税に該当しない)とされていました。
今回の事件の対象となった生命保険とはどのようなものだったのでしょうか?
報道によれば、原告は長崎県在住の40代主婦で、2002年に死亡した夫の生命保険の特約部分について、争いが行なわれました。
死亡保険金の一時金に加え、特約では、年額230万円を10年間にわたり、計2,300万円受給できるという、「年金受給権」が付されていたのです。
現行の実務における取り扱いでは、相続で取得した「年金受給権」に対しては、相続税の課税対象とされており、しかも、その後、相続人が年金受給権により支払を受ける「年金(本事件の場合、年間230万円)」に対しては、所得税(雑所得)の課税対象とされていました。

1審では、年金は、年金受給権として相続税が課税された財産と実質的、経済的に同一といえることから、これを雑所得として課税することは所得税法9条1項15号(平成22年改正前のもの)により、許されない、という判決がなされました。
この、所得税法9条1項15号(平成22年改正前のもの)とは、一言で言うならば、「相続で取得した財産には所得税は課税されない(非課税所得である)」旨を定めた条文となっています。
つまり、1審では、年金を相続により取得した財産であるという判断をしたといえるでしょう。

ところが、国側は、この判決を受けて控訴。福岡高裁では、年金として支給されるものは、相続によって取得した年金受給権とは異なるものであるから、所得税の非課税所得ではないとの判断をしました。
細かい話をすると、相続税法3条1項1号には、相続等により取得したものとみなす場合の規定があり、その中で定めている「保険金」とは、保険金請求権を意味し、年金受給権はこれに該当するものの、本件年金は、本件年金受給権に基づいて上告人が受け取った現金であり、本件年金受給権とは法的に異なるものであるから、上記の「保険金」に当たらず、所得税法9条1項15号所定の非課税所得に当たらないというのが国側の主張でした。(判決主文より)

要するに、相続時には、あとからお金をもらえる権利に対して相続税を課税し、実際にお金をもらったら、その時にまた所得税を課税するというようなことが、40年ほど行なわれてきたわけです。
相続時に現金2,300万円取得すれば、それに対する相続税を払って終わりですが、今は現金がないけれど、今後10年間にわたって毎年230万円ずつ取得するという場合には、今後10年で2,300万円をもらえるという権利に対して、(まだお金をもらっていないのに)相続税を払い、さらに、毎年230万円に対して所得税が課税されていたのです。

ただし、この2,300万円をもらえる権利に対して相続税が課税される場合、2,300万円全額に対して課税されていたわけではありません。
実際には、10年間でもらう場合、60%の評価、1,380万円に対してのみ相続税が課税されていました。
これは、支払側(保険会社)に着目して、10年間で支払う金額は2,300万円だけれども、支払側は1度に支払う必要がなく、もっと少ない金額(この場合は1,380万円)を運用すれば、払えるでしょう?といった考え方から、評価額を減額しているからです。
これを、2,300万円を10年間でもらう場合の割引現在価値といい、この評価減を使った節税商品がありましたが、今年の4月からはこの道が閉ざされました。

そうすると、2,300万円の年金受給権に対して1,380万円で相続税評価がなされると、920万円の差額(運用益?)が生じますが、この部分はどうなるのでしょうか?
今回の事件では、1回目の受給年金230万円に対してのみ争われ、230万円部分には運用益部分がないとして、230万円全額に所得税が課税されないとなりましたが、2回目以降の運用益部分に対しては、所得税が課税されることになりそうです。

 

 

2010年6月 9日 nom

以前、"相続のはなし"で、相続税は100人中4人程度しか相続税の課税対象にならないという話を書きましたが、ここ近年の税制改正の内容からしても、課税強化の傾向が感じ取れます。
今後は100人中の4人が増えることはあっても、減ることはないと思われます。
そこで、今回は、相続税の課税方式について整理します。

相続税の課税方式
相続税の課税方式には、大きく分けて「遺産課税方式」と「遺産取得課税方式」の2つの方式があります。
「遺産課税方式」とは、被相続人(亡くなった人)の遺産に焦点を当て、遺産の総額に対して課税する方式であると説明されています。
「遺産取得課税方式」とは、被相続人の相続人等が取得する遺産に焦点を当て、各人が取得した財産に対して課税する方式であると説明されています。
この説明だと、ちょっとわかりにくいので、補足です。

「遺産課税方式」とは、弁護士などの遺言執行者と呼ばれる人が、被相続人の遺産に応じた相続税を先に納付し、納税後の残った遺産を遺言に応じて、又は協議により分割するという方式です。つまり、残された遺産そのものに対して課税するという方式で、アメリカやイギリスなどで採用されています。
ちなみに、アメリカでは日本と違い、遺言を残すのが一般的です。なので、遺言執行人という遺言内容を執行する代理人が納税などの手続きを行ないます。

「遺産取得課税方式」とは、被相続人の遺産を遺言に応じて、又は協議により分割し、相続人が取得した遺産の額に応じて相続税が決まり、各相続人が納付するという方式です。つまり、残された遺産を取得した者に対して課税するという方式で、ドイツやフランスなどで採用されています。

ん、日本がない??

そうなんです。日本の課税方式は、遺産課税方式でも遺産取得課税方式でもありません。

相続税法という法律は明治38年に創設されたのですが、創設以来、遺産課税方式が採用されていました。昭和25年に遺産取得課税方式に改正され、さらに、昭和33年に「法定相続分課税方式を導入した遺産取得課税方式」という日本独自の課税方式が採用され現在に至っています。
ざっくり言うと、遺産課税方式と遺産取得課税方式の混合方式という感じです。

なぜ、遺産課税方式から遺産取得課税方式に改正され、現行方式になったのか?
"相続のはなし"で、相続税がかかる理由として、「所得税の補完機能」と「富の集中排除機能」という2つの考え方があると述べましたが、この考え方が現行の相続税の課税方式に反映されているんです。

国税庁の資料では、こう書いてあります。

遺産課税方式の特徴
死亡した者の所得税を補完する意義があり、作為的な仮装の遺産分割による租税の回避を防止しやすく、また、遺産分割のいかんに関係なく遺産の総額によって相続税の税額が定まるため税務の執行が容易である。
遺産取得課税方式の特徴
各相続人ごとに、相続した財産の価額に各々超過累進税率が適用されるため、富の集中化の抑制に大きく貢献し、また、取得者の税負担の公平が期待できる。

相続税の課税理由と、相続税の課税方式の特徴を合わせた結果出来たのが、現行の課税方式となっているようですね。
実際の計算過程を図示すると、とんでもなく複雑なのですが、大きな流れはこんな感じです。

まず、遺産総額に応じた相続税額を算出し、それを実際の遺産取得割合で案分して各人の相続税額を計算すると言えば、イメージが掴めるでしょうか??

次回は、現行の課税方式をまとめたいと思います。

 

 

2010年6月 2日 nom

毎年、国税庁から発表される「相続税の申告実績」の最新版が発表されました。

~調査内容~

平成20年度中(平成20年1月1日~平成20年12月31日)に亡くなった人(「被相続人」といいます。)から、相続や遺贈(相続人以外の人が遺産を取得すること)などにより財産を取得した人に係る相続税の申告実績(平成21年10月31日までに提出された申告書で相続税が課税されている申告)の結果を集計しています。
相続税の申告は、通常、相続開始から10か月以内が申告期限なので、平成20年12月31日に発生した相続の場合は平成21年10月31日が申告期限となるのです。このため、調査期間が平成21年10月31日までとなっています。
ちなみに、現在は、事業承継税制との絡みで、相続財産の中に、非上場株式などがある場合には、10か月の申告期限が延長されるという制度もあります。今回は、この制度の対象となる申告であっても、調査対象期間内に提出されたものは対象とされているようです。

相続財産額の種類別内訳(構成比)

(単位:億円・%)
種類 土地 家屋 有価証券 現金・預貯金等 その他 合計
財産額
(構成比)
58,495
(49.6)
6,385
(5.4)
15,680
(13.3)
25,362
(21.5)
12,089
(10.2)
118,012
(100.0)

土地と建物を合わせると、財産中に占める割合は55%。預貯金は21.5%と以外に少なく、この中から相続税を払うことになります。
預貯金がたくさんあればよいのですが、預貯金が少なく、相続税が払えない場合には、不動産や有価証券を売却して納税するといったケースもありますので、事前の準備・対策が重要です。

相続税の申告事績

    
年分
項目
平成19年分 平成20年  
対前年比
1 被相続人数(死亡者数)
1,108,334

1,142,407

103.1
2 相続税の申告書
(相続税額があるもの)
の提出に係る被相続人数

46,820

48,010

102.5
3 課税割合
(2/1)

4.2

4.2
ポイント
±0.0
4 相続税の納税者である
相続人数

118,563

120,127

101.3
5 課税価格 億円
106,220
億円
107,248

101.0
6 税額 億円
12,635
億円
12,504

99.0
7 被相続人1人当たり 課税価格
(5/2)
万円
22,687
万円
22,339

98.5
8 税額
(6/2)
万円
2,699
万円
2,604

96.5

(注)

  • 1 平成19年分は平成20年10月31日までに提出された「申告書(修正申告書を除く。)」に基づいて作成しており、平成20年分は、平成21年10月31日までに提出された「申告書(修正申告書を除く。)」(株式等納税猶予の特例の創設に伴い申告期限が平成22年2月1日まで延長されている者については、同日までに提出された申告書を含む。)のうち入力されたデータ(速報値)に基づいて作成している。
  • 2 「課税価格」は、相続財産価額から、被相続人の債務・葬式費用を控除し、相続開始前3年以内の被相続人から相続人等への生前贈与財産価額及び相続時精算課税適用財産価額を加えたものである。
  • 3 「被相続人数(死亡者数)」は、厚生労働省統計情報部「人口動態統計」による。

年間の死亡者数は114万人と、平成15年に100万人を超えてから、増え続けています。一方で、相続税の課税割合は平成16年以来、4.2%と変化がありません。
つまり、100件の相続のうち、相続税の申告・納税が必要な相続は4件しかないということになります。
だからといって残りの96件は安心できるかと言うと、必ずしもそうではありません。なぜなら、相続税と言う税金は発生しませんが、すべての相続に対しては、遺産の分割をしなければならないからです。
自宅や預貯金といった名義があるものの名義変更には、金額の多少にかかわらず相続人全員の実印と印鑑証明が必要になります。
近年、このような相続税の発生しない相続での争いが増加しているのです。
このテーマについては、今後取り上げていく予定ですので、興味のある方は(誰もが興味を持っていただきたいのですが・・・)お見逃しなく。

 

 

2010年6月 1日 nom

相続とは、民法上は「死亡によって開始する」と定められています。
そもそも民法とは、「私法の一般法」と呼ばれ、私人間の関係を規律する法律です。
一方、所得税法や相続税法といった税法は、公法とよばれ国家と国民(私)との関係を律する法律です。
したがって、相続が発生すると、私法である民法と公法である税法の両方が絡んでくるのです。

今日は、税法の話です。

人は、生きている間は所得税法という国税により所得に対する税金が課税されます。
憲法第30条に定める国民の3大義務の一つ「納税」ですね。

所得税は、毎年1月1日から12月31日までの所得(大ざっぱに言うと:収入-経費)に対して、所得に応じた税率による税金が課せられ、翌年2月16日から3月15日までに申告・納税を行うこととされています。(所得税はまた別の機会に・・・)

ところが、相続は日本全国で毎日発生します。誰もが12月31日に亡くなるわけではありません。
そうすると、所得税はどうなるんでしょう?

1月1日から死亡までの所得を死亡から4カ月以内に計算し、申告・納税が必要であれば申告・納税を行ないます。これを「準確定申告」と言います。
ここから、遺産を取得する相続人に対して相続税法という法律が関連してきます。

なぜ、相続税がかかるのでしょうか?いろいろな考え方がありますが、国税庁の資料によると、2つの代表的な考え方が示されています。
1つめは、「所得税の補完機能」です。
被相続人(亡くなった人)が生前において受けた社会及び経済上の要請に基づく税制上の特典、その他による負担の軽減などにより蓄積した財産を相続開始の時点で清算する、いわば所得税を補完する機能である。
2つめは、「富の集中排除機能」です。
相続により相続人等が得た偶然の富の増加に対し、その一部を税として徴収することで、相続した者としなかった者との間の均衡を図り、併せて富の過度の集中を抑制する。

「所得税の補完機能」では、個人の所得は通常、所得税が課税され、税引き後の手取りが消費に回り、消費されなかった分は貯蓄されるという前提で考えられています。
ところが、相続開始時に残っている財産(遺産)の中には、所得税が課税されていないものがありますよね。それは相続を機に清算してくださいね。という考え方なんです。
所得税が課税されていないものとは何なんでしょう?
国税庁の資料では、非課税所得・免税所得・少額贈与・その他、とありますが、一言で言うと、「被相続人名義で課税されていない財産」となります。例えば、宝くじの懸賞金(非課税)や、無申告(申告不要)の贈与や、脱法行為による蓄積財産などが当てはまります。

一方、「富の集中排除機能」では、相続という制度は、親とはいえ他人の物を自分の物にすることが出来る制度であり基本的に「不労利得」である。それにより、経済的に富が増加するのであるから、そのような機会がない人との均衡を図るためにも税負担を求めるのが相当である。という考え方が強いようですね。

生前の所得でありながらも何らかの理由で所得税を課税できなかったものを、「所得税の補完機能」という考え方で補い、所得税を払った後の蓄積財産に何で税金をかけるのかという意見に対しては「富の集中排除機能」という考え方を根拠に、相続税という制度が設けられているのです。

ただ、現状では相続税を納税する相続人は非常に少なく、ここ数年は、100人4人程度の割合でしか相続税は発生しないのです。


 

 

2010年4月21日 nom

「土曜クラブ」という名の"異人種交流会"に加入しています。

毎月1回、第三土曜日の朝7時半から金沢市内のホテルで勉強会を開催しています。
とても歴史のある会で、先週は第23回目の総会がありました。
つまり、23年続いているって事です。
毎回、講師を招いて1時間ほどの講演をしていただき、そのあとは参加者が感想や質問を述べ、9時には終了という流れとなっています。

会の規約によれば、
(目的)本クラブは、"異人種交流"をコンセプトに会員相互の学びと交友の場を提供することを目的とする。
となっており、あくまで「講演を聞くことを通し、本会を学ぶ場として役立てていくことは無論のこと、仕事関係以外で交友関係を作る場として、またビジネスのヒントを得る場として、それぞれの活かし方をする」(土曜クラブ15周年記念誌より抜粋)ための会であります。
なので、ありがちな異業種交流会のようなギラギラしたいやらしさがなく、純粋に学びの場として参加される方は認識しています。

4月度は17日(土)に開催されましたが、総会を兼ねるので講演は40分。外部から講師を招いて40分では失礼にあたる。とのことで、会員の中から講師を調達することになり、調達されてしまいました・・・

セミナー講師の経験は何度もあるし、ラジオ出演の経験はあるので、話すのは良いのですが、仕事も年齢も趣味もバラバラの会員さんに聞いていただけるテーマはどうしよう?
持ちネタはいくつかありますが、迷うことなく"相続"に決定。
ただ、時間が40分しかないので、内容の絞り込みにすごく時間がかかりました。。。

結局、演題は・・・
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「"相続""争族""争続"あなたはどれを選びますか?」

相続とは、民法という法律に定めがあり、「相続は、死亡によって開始する」と882条に記されています。
一方で、相続の"相"という字は"木"と"目"に分解できます。"もくめ"です。"もくめ"というのは木の年輪ともいえます。つまり、木の歴史ともいえます。
これを人間に当てはめると、相続とは、「"人の生きざま"を(次の世代へ)受け継いでいく」という事が出来るのではないでしょうか?
という切り口から話を始め、相続開始後にやらなくてはいけないこと、相続争いの実態、もめそうな事例、などを話しているうちにあっという間の40分が経過・・・

2時間分くらいは話せる内容の資料を作っていったので、時間との戦いでしたが、伝えたいことは話すことが出来ました。(かなり早口でしたが)

内容については、制作途中の事務所webサイトかこのBLOGで少しずつ(小出しに!?)綴っていきたいと思います。


なお、土曜クラブに関心を持たれた方はお気軽にお問い合わせください!

 

 

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税理士 野村重之

自己紹介

金沢市の税理士ノムの所長日記

  • 1971年10月 石川県金沢市出身
  • 石川県立金沢桜丘高校卒業
  • 金沢工業大学情報工学科卒業

25歳の時勤務先の会社に税務調査が入り、税理士の世界に目覚める
半年後の平成10年3月に4年間勤務した会社を退職し、税理士を目指して勉強開始
定職につかず、わずかのバイト収入と某輸入車購入資金として貯金していたお金を取り崩しながら予備校の通信教育で暗黒の受験生活を過ごす
平成11年 税理士試験 法人税法合格
平成13年 税理士試験 消費税法合格
平成14年 税理士試験 簿記論、財務諸表論、
            相続税法合格
平成15年 税理士登録 登録番号96668

相続税法の合格に苦労し、4回目の受験で無事合格
苦労したものの、今は専門・得意分野の1つに
平成14年から平成21年12月まで金沢市内の税理士法人にてサラリーマン税理士として勤務
個人・法人合わせて延べ5,500件以上の税務申告に携わり、税務調査の立会件数は100件以上など貴重かつ豊富な実務経験を経て野村経営税理士事務所開設
勤務期間中の平成20年4月から平成21年3月までの1年間、FM石川にて金曜日の「M-Culture」というラジオ番組にて”サラリーマン税理士ノム”として出演の経験あり
決算・税務申告はもちろんのこと、「将来のあるべき姿に近づくためのお手伝い」を提供サービスの中心に考える”未来志向型税理士事務所”を目指しています

凝り性で気に入った世界は追及するタイプ
近年は自転車(ロードバイク)とシングルモルトを追及中
ちょっとだけ料理好き(得意料理は激辛麻婆豆腐と梅タコパスタ)

    もう一度飲みたいシングルモルトBest3
  1. Lagavulin 1976 / 30 Year old
  2. Brora 1982 / 20 Year old
  3. Ardbeg Very Young 1998 / 6 Year old